西郷隆盛
さいごうたかもり
薩摩藩の出身。通称は、西郷吉之介。愛称は西郷どん(せごどん)、西郷さぁ(せごさぁ)、うどさぁ。維新の三傑(西郷隆盛、大久保利道、桂小五郎)の一人であり、明治維新最大の功労者。維新後は、軍人であり政治家。薩摩藩内では下級武士であったが、稀代の名君・島津斉彬に見いだされ、強い影響を受ける。斉彬の亡き後、藩の実権を握った島津久光とは折り合わず、2度の島流しにあうなど、順風満帆な出世ではけしてなかった。小松帯刀や大久保利通の尽力により藩政に復帰した後は、緊迫する日本の政情の中で、禁門の変、長州征伐、薩長同盟、王政復古、戊辰戦争、江戸城無血開城など主要な局面でことごとく活躍。大久保利通とともに、政局を主導する。明治維新後は、いったん薩摩に帰郷、隠遁生活を送るが、新政府側の強い要請により参議として政界に復帰。また、陸軍大将および近衛都督を兼務することで、日本の軍隊の最高責任者となる。明治6年の征韓論では、盟友であった大久保利通との政戦に敗れ下野。ふたたび鹿児島に戻り、教育に力を注ぐ(私学校)。私学校生徒の暴動に端を発した西南戦争(明治10年)では、指導者として担ぎ上げられるが、敗北。自刃する。 将器の才では幕末筆頭。古今でも類を見ない。その飾らない性格は明治天皇にも愛されたとする一方、「西郷どんの人望好き」(大山巌)と評されるなど、人物評価は今なお分かれている。
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年表
活躍の軌跡。『人生の残り時間』にも注目してください。意外な発見があります。
年月日 | 年齢(人生の残り時間) | 内容 |
---|---|---|
1828年01月23日 | 0歳 (あと49年) | 西郷隆盛、生まれる |
1858年12月20日 | 30歳 (あと18年) | 月照と西郷隆盛が錦江湾に入水。西郷のみ一命を取り留める。 |
1864年04月24日 | 36歳 (あと13年) | 西郷隆盛、薩摩藩の軍賦役(軍司令官)に任命される |
1864年12月06日 | 36歳 (あと12年) | 第一次長州征伐 |
1866年03月07日 | 38歳 (あと11年) | 薩長同盟 |
1868年05月03日 | 40歳 (あと9年) | 江戸城無血開城。徳川慶喜、水戸へ下る。 |
1870年05月27日 | 42歳 (あと7年) | 小御所会議 |
1877年09月24日 | 49歳 | 西郷隆盛、死去 |
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西郷隆盛にとくに関係の深い人物を紹介。家族や恋人、友人など。
写真
現代に遺された肖像写真(肖像画)や記念写真。ゆかりの土地や墓所・銅像などの写真も。
エピソード・逸話
教科書には載っていない興味深いエピソードの数々。
- 幼少期、西郷が家のお使いで水瓶を持って歩いていた。悪童が西郷を驚かせようとして物陰から飛び出したところ、西郷は持っていた水瓶を地面にいったん置いたあと、心から驚いたといった表現をして、その後何事も無かったかのように水瓶を運んで行った。
- 酒が弱く下戸であった。
- 坂本龍馬を鹿児島の自宅に招いたことがある。当時の西郷家は非常に粗末なつくりであったため、雨洩りがしていた。耐えかねた夫人の糸子が「お客様が来られると面目が立ちません。雨漏りしないように屋根を修理してほしい」と西郷にお願いをしたところ、西郷は「今は日本中の家が雨漏りしている。我が家だけではない」と叱った。この話を隣室で聞いていた坂本龍馬は感心したと伝えられている。
- 晩餐会の席で「作法を知らない」と言って、スープ皿を手に持ってスープを飲み干した。
- 陰嚢が人の頭ぐらいあった。これは、島流し先の沖永良部島で、風土病のバンクロフト糸状虫という寄生虫に感染、後遺症である象皮症の影響である。晩年は馬に乗ることができず、徒歩か駕篭で移動していた。
名言・辞世の句・最後の言葉
西郷隆盛が語ったといわれる言葉。人柄や当時の心情が見えてきます。
- 「敬天愛人」
- 「思い切ってやりなさい。責任は私がとる」
- 「徳に勤むる者は、これを求めずして、財自(おのず)から生ず。」
- 「事大小となく、正道を踏み至誠を推し、一事の詐謀を用うべからず。」
- 「正論では革命をおこせない。革命をおこすものは僻論(へきろん)である。」
- 「万民の上に位する者、己れを慎み、品行を正しくし、驕奢(きょうしゃ)を戒(いまし)め、節倹を勉め、職事に勤労して人民の標準となり、下民その勤労を気の毒に思ふ様ならでは、政令は行はれ難し。 然るに草創の始に立ちながら、家屋を飾り、衣服を文(かざ)り、美妾を抱へ、蓄財を謀りなば、維新の功業はは遂げられ間敷也。」
- (西郷南洲翁遺訓)
- 「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難(かんなん)を共にして国家の大業は成し得られぬなり。」
- (西郷南洲遺訓)
- 「誠篤ければ、たとい当時知る人無く共、後世必ず知己有るもの也」
- 「事に当たり、思慮の乏しきを憂うることなかれ。」
- 「小人は己を利せんと欲し、君子は民を利せんと欲す。己を利する者は私、民を利する者は公なり。公なる者は栄え、私なる者は亡ぶ。」
- 「世のすべての人からけなされても落ち込まず、 すべての人から褒められてもうぬぼれるな。」
- 原文は以下。「天の道をおこなう者は、天下こぞってそしっても屈しない。その名を天下こぞって褒めても驕らない。」
- 「急速は事を破り、寧耐は事を成す。」
- (西郷南洲遺訓)
- 「人を相手にせず、天を相手にせよ。」
- (西郷南洲遺訓)
- 「天は人も我も同一に愛す、故に我を愛する心を以って人を愛すべし。」
- 「児孫(じそん)のために美田を買わず。」
- 「己を尽くして人を咎めず。我が誠の足らざるを常にたずぬるべし。我を愛する心を以って人を愛せ。自己を許すが如く人を許せ。人を責めるが如く自己を責めよ。」
- 「もうここらでよか」
- 西南戦争・城山の戦いで。官軍に四方を包囲され、重傷の西郷は死を決意。別府晋介に介錯を頼んだ。実際には言っていないという説もある。
- 「世の中で、人からそしられたり誉められたりするといったことは、塵のように儚く消え去ってしまうものである。」
- 原文は「世上の毀誉軽きこと、塵に似たり。」
- 「幾度か辛酸を経て、志始めて堅し。丈夫玉砕して甎全(せんぜん)を恥ず。」
- ※甎全…大したこともせずに生き長らえること。
- 「総じて人は、己れに克つを以て成り、自ら愛するを以て敗るるぞ」
- 『西郷南洲翁遺訓』より。前文は以下「道は天地自然の道なるゆえ、講学の道は敬天愛人を目的とし、身を修するに克己を以て終始せよ。己に克つの極功は、「毋意、毋必、毋固、毋我」。総じて人は、己れに克つを以て成り、自ら愛するを以て敗るるぞ。」
- 「ふたつなき 道にこの身を 捨小船 波たたばとて 風吹かばとて」辞世の句・最後の言葉
- 錦江湾に月照とともに入水した際に、辞世の句として詠んだ。
- 「いろいろむつかしい議論もありませうが、私が一身にかけて御引受けします」
- 勝海舟『氷川清話』より。江戸城無血開城に際し、勝海舟との対談において西郷隆盛が発した言葉
子孫
※参考:『月刊歴史百科』創刊号(1980年)など
- 西郷寅太郎(さいごうとらたろう)
- 西郷隆盛・イトの息子。陸軍大佐。のち、東京俘虜収容所長、習志野俘虜収容所長を歴任。
- 西郷午次郎(さいごううまじろう)
- 西郷隆盛・イトの息子。近藤廉平の秘書をつとめる。
- 西郷酉三(さいごうとりぞう)
- 西郷隆盛・イトの息子。
- 西郷菊次郎(さいごうきくじろう)
- 西郷隆盛の息子(庶子)。台湾・宜蘭庁の初代庁長。西郷堤防を築いたことで有名。のち、京都市長。島津家鉱山館長。
- 西郷菊子(さいごうきくこ)
- 西郷隆盛の娘(庶子)。若い頃は、お菊。のち、大山巌の弟・誠之助と結婚。
- 西郷隆輝(さいごうたかてる)
- 西郷隆盛の孫にあたる。華族(侯爵)。20歳の若さで急逝。
- 西郷吉之助(さいごうきちのすけ)
- 西郷隆盛の孫にあたる。自由民主党参議院議員、法務大臣(第2次佐藤内閣)。
- 武豊(たけゆたか)
- 西郷隆盛の遠縁にあたる。競馬ジョッキー。西郷隆盛の孫(西郷吉之助)が、武豊の曾祖父の兄弟である園田実徳の娘・ノブと結婚している。
- 武幸四郎(たけこうしろう)
- 西郷隆盛の遠縁にあたる。競馬ジョッキー。西郷隆盛の孫(西郷吉之助)が、武幸四郎の曾祖父の兄弟である園田実徳の娘・ノブと結婚している。
- 大藤桂子(だいとうけいこ)
- 西郷隆盛、西郷従道の子孫にあたる。チェリスト、ベリーダンサー。
- 西郷隆文(さいごうたかふみ)
- 西郷隆盛のひ孫にあたる。陶芸家。日置南洲窯代表、鹿児島県陶業協同組合理事長。
- 西郷吉太郎(さいごうきちたろう)
- 西郷隆盛のひ孫にあたる。新日本製鉄株式会社、ネットワンシステムズ株式会社勤務。
- 西郷隆太郎(さいごうりゅうたろう)
- 西郷隆盛の玄孫にあたる。IT企業に勤務。
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博物館、史跡、銅像
ゆかりの品が展示されている主な博物館や記念館。現在でも残る墓所、縁のある土地にたてられた銅像など。
- 幕末維新ミュージアム 霊山歴史館(京都府)
- 西郷南洲顕彰館(鹿児島県)
- 西郷隆盛宿陣跡資料館(宮崎県)
- 大洗町 幕末と明治の博物館(茨城県)
- 熊本市立熊本博物館(熊本県)
- 鹿児島県歴史資料センター黎明館(鹿児島県)
- 西郷隆盛の墓(南洲墓地)(鹿児島県)
- 西郷隆盛 銅像(上野公園)(東京都)
西郷隆盛を演じた俳優
大河ドラマや映画などで、さまざまなタイプの俳優が演じています。
- 博多華丸『青天を衝け』(大河ドラマ/2021年)
- 鈴木亮平『西郷どん』(大河ドラマ/2018年)
- 佐藤隆太『私たちの薩長同盟』(ドラマ/2017年)
- 宅間孝行『花燃ゆ』(大河ドラマ/2015年)
- 佐藤浩市『幕末高校生』(映画/2013年)
- 吉川晃司『八重の桜』(大河ドラマ/2013年)
- 藤本隆宏『JIN-仁- 完結編』(ドラマ/2011年)
- 高橋克実『龍馬伝』(大河ドラマ/2010年)
- 永澤俊矢『桜田門外ノ変』(映画/2010年)
- 田中正次『半次郎』(映画/2010年)
- 菅田俊『白虎隊』(ドラマ/2007年)
- 宇梶剛士『新選組!』(大河ドラマ/2004年)
- 高嶋政宏『竜馬がゆく』(ドラマ/2004年)
- 渡辺徹『徳川慶喜』(大河ドラマ/1998年)
- 赤井英和『竜馬がゆく』(ドラマ/1997年)
- 小倉久寛『竜馬におまかせ!』(ドラマ/1996年)
- 桜金造『幕末純情伝』(映画/1991年)
- 西田敏行『翔ぶが如く』(大河ドラマ/1990年)
- 石立鉄男『勝海舟』(ドラマ/1990年)
- 梅宮辰夫『奇兵隊』(ドラマ/1989年)
- 松方弘樹『坂本龍馬』(ドラマ/1989年)
- 里見浩太朗『田原坂』(ドラマ/1987年)
- 杉山義法『白虎隊』(ドラマ/1986年)
- 中村富十郎『竜馬がゆく』(ドラマ/1982年)
- 中村富十郎『獅子の時代』(大河ドラマ/1980年)
- 柴俊夫『風の隼人』(ドラマ/1979年)
- 花柳喜章『花神』(大河ドラマ/1977年)
- 中村富十郎『勝海舟』(大河ドラマ/1974年)
- 辰巳柳太郎『狼よ落日を斬れ』(映画/1974年)
- 小林桂樹『竜馬がゆく』(大河ドラマ/1968年)
- 観世栄夫『三姉妹』(大河ドラマ/1967年)
- 谷啓『幕末てなもんや大騒動』(映画/1967年)
- 島田正吾『大東京誕生 大江戸の鐘』(映画/1958年)
西郷隆盛を演じた声優
ゲームやアニメなどで、声優が新たな魅力で演じています。
- 西谷修一『憂世ノ志士・憂世ノ浪士』(ゲーム/2015年)
- 岩崎征実『龍が如く 維新!』(ゲーム/2014年)
- 奈良徹『遙かなる時空の中で5』(ゲーム/2011年)
- 茂木優『幕末恋華・花柳剣士伝』(ゲーム/2007年)
- 杉野博臣『幕末機関説 いろはにほへと』(アニメ/2006年)
- 江川大輔『風雲 幕末伝』(ゲーム/2005年)
- 永野広一『新選組群狼伝』(ゲーム/2005年)
- 玄田哲章『お〜い!竜馬』(アニメ/1992年)
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