色彩感覚ずば抜けてる

長野県にある岩松院の天井に描かれた天井画。そのサイズはなんと畳21枚分! この大作を86歳から87歳までの1年かけて仕上げたというからすごい。とにかく迫力が半端ない!ビビッドな色味、鳳凰の目力も尋常じゃない。まさに魂が込められているような力強さがびしびしと伝わってくる。ちなみに天井画は今も当時の色彩と光沢を保っているという。
海外が驚愕した“北斎ブルー”

藍摺絵(藍色の濃淡のみで仕上げた画)の傑作。「いろんな表情の富士山を描くよ!」というコンセプトシリーズ『冨嶽三十六景』のひとつ。ベロ藍(プルシャンブルー)とよばれる色がなんとも美しい。当時、海外の芸術家たちを驚愕させたこの色使いは、“Hokusai and Blue Revolution(青の革命)”とも呼ばれているそうで。
ちなみにこれ構図も面白くて、岩と猟師の持っている網で富士山と同じ三角形を描いています。
青一色だけども

こちらも「北斎ブルー」が美しい一枚。ハゲ頭の男性が芋をあらっているだけなのにめちゃくちゃ風情があります。よく見ると薄っすらと大きな満月が描かれており、ふと手を止めて月を眺める男性に思わず「きれいですなぁ」と声をかけたくなります。
星の下で舞う鬼

筆を持った鬼は、もしかして北斎自身だったのかもしれません。
田植えが幻想的にみえる不思議

北斎晩年の作品。田植えをする人々のかぶる笠の白い丸が印象的。西洋画的な雰囲気も感じられます。
晩年に描いた虎

満88歳で没した北斎が死の数ヶ月前に描いたという作品。虎の質感や肢体が独特の雰囲気で見る者をひきつけます。なんか普通じゃない感じを受けますね。
北斎のひまわり

どことなく洋画のような雰囲気もただようこちらは正真正銘、北斎の肉筆画。江戸時代にひまわりの絵ってなんとなく珍しいですし、それを最晩年の北斎が描いているというのがまたグッときます。老いてなお上を目指す北斎の心のようです。
斬新すぎる滝の描き方

こちらは全国で有名な滝を描いたシリーズの1枚。流れ落ちる水の表情をどう描くかに主眼が置かれているそう。その企み通りすごい描き方です。流れ落ちる直前の水と落ちていく水がまったく別物のよう。こんな発想、どこからくるんでしょうか。
満天の星空

月のない夜に松明の灯りで魚をおびきよせ漁をする人々。もこもことした岩と不思議な流紋を描く川、満天の星が輝く夜空。すべてがあわさり幻想的な風景です。
妙に格好いい「端午の節句の縁起もの」

魔を追い払う神「鍾馗(しょうき)」が、魔除けの動物獅子に乗ってるんだから、その効果は半端ないです。北斎自らの長命・厄払いの願いを込めたなんて話も。しかし、魔除けというよりも、積極的に打ち払いにいかんとするこの迫力。80歳を超えて、なおこの画が描けるのが凄い。
動きのある美人画

一瞬を切り取る名人・北斎の真骨頂。美人画も普通じゃありません。
神秘的な美女

まるで天女のような美しさですが、こちらは「迦陵頻伽」という極楽浄土に住む鳥。上半身は人で下半身は鳥、美声をもって仏法を説くのだそう。キャラが濃い。
こちらは北斎が新年のあいさつ用に描いたものらしいのですが、なんとも贅沢な年賀状です。
[…] 【【これが88歳の作品!?】葛飾北斎が老いてから描いた画が強烈すぎる【波の画だけじゃない】 | 幕末ガイド】 […]
北斎ブルー
甲州石班沢(1831〜35年/『冨嶽三十六景』より) 葛飾北斎 70歳〜74歳ごろ 海外が驚愕した“北斎ブルー” 藍摺絵(藍色の濃淡のみで仕上げた画)の傑作。 「いろんな表情の富士山を描く…
[…] 幕末ガイド http://bakumatsu.org/blog/2012/12/hokusai.html … @bakumatsu_gさんから […]
先日 浮世絵展で北斎の作品を見てきました。
写楽も歌麿も広重もすごいと思いましたが、個人的には「北斎が最強!」という感想を持ちました。
デッサン力、構図の妙、対象への思いの強さ・・・もう、本当に凄いです。
本物を観る機会があって、幸せでした。
すごく興味深いブログで素晴らしい♪
南方熊楠も取り上げてください。非常に傑出した日本人ですもの♪きっと皆さん気に入りますよ~。
浮世絵展見てきました。
とても素晴らしいレポートですね。
とても勉強になりました。
ありがとうございます。
[…] 参考:葛飾北斎/Wikipedia 幕末ガイド 葛飾応為/Wikipedia […]
[…] Katsushika Hokusai’s works […]
[…] bakumatsu.org […]
[…] 江戸時代どころか日本を代表する絵師。代表作の「凱風快晴」(通称、赤富士)「神奈川沖浪裏」をはじめとする『冨嶽三十六景』や『北斎漫画』は、絵に興味のない人でもなんらかの […]
[…] bakumatsu.org […]
[…] 江戸時代のトイレ。用を足す武士。 トイレの外では3人の家来が待っているが、めちゃくちゃ臭そうな顔で鼻をつまんでいます。これは長屋のトイレでしょうか。トイレのドアは下半分しかなく、ひと目で利用している人がいるかわかるようになっています。 面白いのはトイレの壁。 相合傘の落書きがあります。 この絵は約200年前ですが、人のやることというのは時代が変わっても同じなのですねぇ。(『北斎漫画』より/葛飾北斎 画) […]
[…] 長生きできたそうです。たとえば、天才絵師として世界にその名を知られる葛飾北斎は90歳(満88歳)で没するまで現役でバリバリ傑作を描いていましたし、『南総里見八犬伝』の著者と […]