• 更新日:2019年9月29日
  • 公開日:2012年12月23日


通称、赤富士

凱風快晴(葛飾北斎の画)凱風快晴(1831〜35年/『冨嶽三十六景』より) 葛飾北斎 70〜74歳ごろ
『波の画』と並び、海外でも非常に有名な作品。実は初期版ではここまでの赤ではないのですが、それは美術館で実際に観るときのお楽しみかもしれません。


もう一丁、富士山。

富士と笛吹童図(葛飾北斎の画)富士と笛吹童図(1839年ごろ) 葛飾北斎 78歳ごろ
凄まじい構成力。ただ、それよりもなんなんでしょう、この漂う寂しさは。日本人の琴線をびしびし刺激する画です。



さらに富士山

甲州三島越(葛飾北斎の画)甲州三島越(1830〜32年/『冨嶽三十六景』より) 葛飾北斎 69〜71歳ごろ
とにかく色合いがさわやか! 青と緑ときどき茶色のカラーリングは夏らしいさわやかさにあふれ、とても老人の色彩感覚とは思えないフレッシュさです。富士に負けずと存在をアピールする巨木に手を回し無邪気にはしゃぐ旅人たちがほほえましいです。


武者のとっくみ合い

渡辺の源吾綱 猪の熊入道雷雲(葛飾北斎の画)渡辺の源吾綱 猪の熊入道雷雲(1833〜35年/『山本屋版武者絵』シリーズより) 葛飾北斎 72〜74歳ごろ
風景画で有名な北斎ですが武者絵もこのとおり素晴らしいです。ギュウギュウととっくみあう2人の男のポーズがすごいですね。特にやられている方の指。


メタリックな鯉

鯉亀図(1813年)(葛飾北斎の画)鯉亀図(1813年) 葛飾北斎 52歳ごろ
ほぼ黒一色の墨絵に近い作品なのに異様なまでの迫力を感じます。柔らかで繊細な水紋とは逆に、メタリックさすら感じさせる鯉の存在感がとにかくすごい。


北斎流お化け

お岩さん(葛飾北斎の画)
小はだ小平二(葛飾北斎の画)「お岩さん」(上)、「小はだ小平二」(下)(1831~32年/『百物語』より) 葛飾北斎 70〜71歳ごろ
当初は100枚のシリーズものだったらしいが現在確認されているのは5点のみ。どれも怖いのはもちろんながらまるでポスターのようなデザイン性の高い構図がすごい!


発想がぶっ飛んでる

蛸と海女(葛飾北斎の画)蛸と海女(1820年ごろ) 葛飾北斎 59歳ごろ
北斎は春画(性風俗画)も数多く手がけています。ホントになんでも描くな、この人。その際のペンネームがまた面白い。その名も「鉄棒ぬらぬら」。こちらは北斎の春画のなかでも特に有名な1枚。200年近く前にこの発想力。


歴史的ロングセラー

北斎漫画1(葛飾北斎の画)
北斎漫画2(葛飾北斎の画)北斎漫画(1814年〜) 葛飾北斎 53歳ごろ〜
北斎は風景画からエロまで何でも描きました。彼はいつからか「森羅万象」を描くといわれるようになりますが、こちらはその集大成。この漫画とは「漫(そぞ)ろな画」=気の向くままに描いた画という意味で、まさに絵の百科事典。全15編。人々のさまざまな姿をはじめ動植物、風景、道具、妖怪などなんでもあり。太った人ばかりを描いたものは思わず笑ってしまうほのぼの感にあふれています。北斎の死後、時代が明治に移ってもなお続編が刊行され続けました。


立ち上る湯気のおもしろさ

百人一首姥がゑとき 藤原義孝(葛飾北斎の画)百人一首姥がゑとき 藤原義孝(1835〜36年ごろ) 葛飾北斎 74〜75歳ごろ
「百人一首」を乳母が子どもにわかりやすく説明する、というコンセプトのシリーズ中の1枚。

「君がため おしからざりし 命さへ 永くもがなと 思ひけるかな」という超有名な和歌の絵解きになっているのですが、なんで温泉につかっているんだろう? まるで意思をもっているかのような湯気の表現がユニークです。

デフォルメの凄さ

くだんうしがふち(葛飾北斎の画)くだんうしがふち(1804〜07年) 葛飾北斎 43〜46歳ごろ
中年期の作品だけど、ぜひ紹介したいです。西洋画の技法の研究にも余念がなかった北斎はこんな西洋画風の作品も残していました。


歌の名手たち

六歌仙図(葛飾北斎の画)六歌仙図(1820〜30年) 葛飾北斎 59〜69歳ごろ
小野小町や在原業平ら平安時代の歌の名手「六歌仙」を描いたもの。縦長の構図を非常にうまく利用し、リズミカルに6人を描いています。ちなみにこちらの作品は近年発見されたもの。


鳥さん、逃げてー!

蛇と小鳥(葛飾北斎の画)蛇と小鳥(1833~1839年ごろ/『肉筆画帖』より) 葛飾北斎 74〜83歳ごろ
説明不要の一瞬を描いた作品。あいかわらずの構図の凄さ。一節によると、天保大飢饉で版元たちも餓死寸前だったときに、この『肉筆画帖』シリーズを描いたところ大ヒット。それにより、飢えをしのいだとか。

幕末ブログ 関連記事

幕末ブログ 最新記事

あわせて読みたい 戦国・江戸時代の記事

「これが88歳の作品!? 葛飾北斎が老いてから描いた画が強烈すぎる」への18件のフィードバック

  1. […] 【【これが88歳の作品!?】葛飾北斎が老いてから描いた画が強烈すぎる【波の画だけじゃない】 | 幕末ガイド】 […]

  2. TODAY'S says: 2013年11月26日

    北斎ブルー

    甲州石班沢(1831〜35年/『冨嶽三十六景』より) 葛飾北斎 70歳〜74歳ごろ 海外が驚愕した“北斎ブルー” 藍摺絵(藍色の濃淡のみで仕上げた画)の傑作。 「いろんな表情の富士山を描く…

  3. elm says: 2014年7月6日

    先日 浮世絵展で北斎の作品を見てきました。
    写楽も歌麿も広重もすごいと思いましたが、個人的には「北斎が最強!」という感想を持ちました。
    デッサン力、構図の妙、対象への思いの強さ・・・もう、本当に凄いです。
    本物を観る機会があって、幸せでした。

    すごく興味深いブログで素晴らしい♪
    南方熊楠も取り上げてください。非常に傑出した日本人ですもの♪きっと皆さん気に入りますよ~。

  4. sksys says: 2014年11月4日

    浮世絵展見てきました。
    とても素晴らしいレポートですね。
    とても勉強になりました。
    ありがとうございます。

  5. […] 参考:葛飾北斎/Wikipedia 幕末ガイド 葛飾応為/Wikipedia […]

  6. […] Katsushika Hokusai’s works […]

  7. […] bakumatsu.org […]

  8. […] 江戸時代どころか日本を代表する絵師。代表作の「凱風快晴」(通称、赤富士)「神奈川沖浪裏」をはじめとする『冨嶽三十六景』や『北斎漫画』は、絵に興味のない人でもなんらかの […]

  9. […] 江戸時代のトイレ。用を足す武士。 トイレの外では3人の家来が待っているが、めちゃくちゃ臭そうな顔で鼻をつまんでいます。これは長屋のトイレでしょうか。トイレのドアは下半分しかなく、ひと目で利用している人がいるかわかるようになっています。 面白いのはトイレの壁。 相合傘の落書きがあります。 この絵は約200年前ですが、人のやることというのは時代が変わっても同じなのですねぇ。(『北斎漫画』より/葛飾北斎 画) […]

  10. […] 長生きできたそうです。たとえば、天才絵師として世界にその名を知られる葛飾北斎は90歳(満88歳)で没するまで現役でバリバリ傑作を描いていましたし、『南総里見八犬伝』の著者と […]

コメントは受け付けていません。