• 更新日:2019年9月22日
  • 公開日:2012年12月8日


グロ注意

魁題百撰相 佐久間大学(幕末の浮世絵師・月岡芳年の画)魁題百撰相 佐久間大学(1868年) 月岡芳年
月岡芳年は、無惨絵の描き手としても数多くの作品を遺しています。彼は、別名「血まみれ芳年」と呼ばれ、江戸川乱歩三島由紀夫谷崎潤一郎などに深く愛されました。しかし、グロいなー。さっきの孫悟空の絵を書いた人と同一人物とは思えません。振り幅すごい。


妊婦の腹を裂こうとする鬼婆

奥州安達がはらひとつ家の図(幕末の浮世絵師・月岡芳年の画)奥州安達がはらひとつ家の図(1885年) 月岡芳年
黒塚の鬼婆伝説を題材にした作品。題材への是非はあるが、とんでもないインパクト。130年前ぐらい前の絵です。大きなお腹の妊婦さんが吊られているすぐ下で鬼婆がすごい形相で包丁といでます。言葉が出ません。



消防署のポスターにしよう!

各大区纒鑑第一大区 八番組(1876年)(幕末の浮世絵師・月岡芳年の画)各大区纒鑑第一大区 八番組(1876年) 月岡芳年
これ明治初期の作品とか信じられなくないですか? 構図も色合いもタッチも全部がめちゃくちゃ洗練されていて古臭さとか皆無。芳年のずば抜けたセンスに恐れ入ります。

弁慶VS牛若丸 @五条橋

義経記五条橋之図(幕末の浮世絵師・月岡芳年の画)義経記五条橋之図(1881年) 月岡芳年
かの有名な牛若丸と弁慶の五条橋での決闘の場面です。剛の弁慶、柔の牛若丸という感じでかっこいい!またそれを見守るかのような月がいいですね~。月夜の静けさと躍動感が絶妙なバランスの傑作です。


因縁の対決

猫鼠合戦(1859年)(幕末の浮世絵師・月岡芳年の画)猫鼠合戦(1859年) 月岡芳年
月岡芳年の師である歌川国芳が大の猫好きなのは有名ですが、芳年も猫好き。見てください、猫たちの表情。じつにいい顔してます。これは猫とネズミの因縁の対決を描いたシリーズの1枚なんですが、張子の犬にまたがったネズミの堂々とした姿よ。

最後は、女性浮世絵師の葛飾応為(かつしかおうい)


光と影の表現すごい

吉原格子先の図(幕末の浮世絵師・葛飾応為の画)吉原格子先の図 葛飾応為
光と影の表現がまるで西洋画のようだがこれもれっきとした江戸時代の浮世絵不夜城・吉原を描いた作品が数多あるが、これほど印象的なものも少ないんじゃないかな。幻想的でいてどこか刹那的な感じもするこの絵からは吉原という特殊な世界の匂いがただよう。


闇夜に浮かび上がるのは

春夜美人図(幕末の浮世絵師・葛飾応為の画)春夜美人図 葛飾応為
桜咲く春の夜。灯篭の灯りの下で手紙をしたためるひとりの美女。春の夜の夢のような幻想的な光景です。満天の星空というのもちょっと珍しい。


ポーズが繊細すぎ

三曲合奏図(幕末の浮世絵師・葛飾応為の画)三曲合奏図 葛飾応為
琴、胡弓、三味線を弾く3人の女性。真剣な表情、しなやかで力強い指先、クネっとした座り姿…どれをとっても絶妙!特に背を向けて琴を奏でる女性が秀逸。着物の色や柄も粋でかっこいいなぁ。


月光が照らす白い肌

月下砧打美人図(幕末の浮世絵師・葛飾応為の画)月下砧打美人図 葛飾応為
応為の最初期作品と思われるもの。夫を想いながら月下に砧(きぬた)を打つ、という漢詩が元ネタ。透けるような女性の肌の白さ、布の柔らかさ、着物からのぞく足の裏……応為らしいしっとりとした色気がすでに漂います。


唯一無二の繊細なタッチで傑作を遺した葛飾応為。その苗字からわかるように、彼女はあの天才浮世絵師・葛飾北斎の実の娘なのです。

北斎をして「美人画にかけては応為には敵わない」と言わしめたその腕で、周囲からの評価も高く、ついた異名は「おんな北斎」。現在、応為の作品は10点あまりにしか発見されておりませんが、最後に彼女が携わった非常に珍しい作品を紹介します。


唐獅子図(浮世絵師・葛飾北斎・応為の画)
唐獅子図(1844年)
この鮮やかで力強い浮世絵。真ん中の獅子は父・葛飾北斎の作、周りの花を描いたのはその娘・葛飾応為。そう、唯一無二の天才2人による親子合作です。完成したのは、北斎が死ぬ5年前、83歳のとき。

幕末明治に活躍する新世代が力をつけるなか、旧世代・北斎と新世代・応為は、お互いになにを想って合作したのか?興味はつきません。

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