徳川家茂と和宮親子内親王の婚儀

幕末の事件・出来事

1862年3月11日

徳川家茂と和宮親子内親王の婚儀

井伊直弼の独裁政治により、幕府と朝廷の関係は冷えきっていた。（勅許を得ないままの日米修好通商条約への調印、水戸藩への攘夷進行の内勅を知りながらの安政の大獄、など）。そのような状況での婚儀は、関係の修復であり公武合体を見据えた政略であった。和宮は有栖川宮熾仁親王とさかのぼること10年以上も前に婚約をしていたのだが、政略が優先されることとなった。

深く関わっている志士／人物

あの出来事の中心にいた人物たち

孝明天皇

こうめいてんのう

生年月日: 1831年7月22日
没年月日: 1867年1月30日
年齢: 満35歳没

1846年に即位した第121代天皇。仁孝天皇の第四皇子。在位21年にして崩御。ペリー来航後は、より強硬な攘夷論者となり、開国の幕府への発言力を高める。幕府老中首座・堀田正睦が求めた日米修好通商条約の勅許を、孝明天皇は断固拒否。（1858年条約勅許問題）しかし、井伊直弼は天皇の意向を無視して条約を調印。幕末の混迷をより複雑なものとした。崩御については、岩倉具視を首謀者とする毒殺説も存在する。続きを読む

岩倉具視

いわくらともみ

生年月日: 1825年10月26日
没年月日: 1883年7月20日
年齢: 満57歳没

政治的剛腕を発揮して、幕末から明治はじめにかけて、日本のカタチづくりに尽力。幕末のおもな働きとしては、公武合体による朝廷権力の復活を狙った和宮降嫁の推進、奇策・大政奉還でなおも政権掌握を狙った徳川慶喜を完全に失脚させたクーデター「王政復古」での宮中工作など。薩摩藩の大久保利通とは、明治維新の影の立役者として盟友である。続きを読む

徳川家茂

とくがわいえもち

生年月日: 1846年7月17日
没年月日: 1866年8月29日
年齢: 満20歳没

江戸幕府第14代征夷大将軍。将軍就任の前は徳川御三家紀州藩第13代藩主。聡明で幕臣にも慕われていた。勝海舟、曰く「家茂さまの御薨去をもって徳川幕府は滅んだ」。将軍継嗣問題で井伊直弼ら保守派に担ぎだされたり、公武合体のため皇女和宮との結婚、229年ぶりの将軍上洛など、大きくうねる時勢に、その生涯は翻弄された。続きを読む

有栖川宮熾仁親王

ありすがわのみやたるひとしんのう

生年月日: 1835年3月17日
没年月日: 1895年1月15日
年齢: 満59歳没

皇族、政治家、軍人。和宮親子内親王との悲恋でも有名。皇女和宮と婚約していたが、公武合体政策により破談した。王政復古の政治クーデターによる新政治体制では最高職である総裁に就任。戊辰戦争では自ら志願し東征大総督となる。西南戦争でも征討総督となる。続きを読む

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中山忠能

なかやまただやす

生年月日: 1809年12月17日
没年月日: 1888年6月12日
年齢: 満78歳没

明治天皇の外祖父にあたる。公家、政治家。王政復古のクーデター後、議定を務めていた。和宮と徳川家茂の縁組の御用掛に任じられるなど、公武合体派の公家としてしられる。禁門の変では長州藩を支持していたため、長州藩が政争に敗れた後は失脚。孝明天皇崩御まで、中央政界からは遠ざかっていた。その後は、岩倉具視らとともに討幕の密勅を出させることに尽力、王政復古の大号令の実現させるなど存分に暗躍する。大一番・小御所会議では司会を務めた。続きを読む